歯科医療コラム

小児歯科で行うシーラントについて〜その重要性とメリット、デメリットを歯科衛生士が徹底解説〜

歯科ブログ

2025.01.20

こんにちは。
箕面市牧落オートバックス前、ヨコヤマ歯科の歯科衛生士の政倉です。

今回はシーラントという予防処置について解説します。

お子さまの歯の健康を守るために、早期のケアが重要です。その中でも、「シーラント」という予防的な治療法は、小児歯科で注目される方法の一つです。本記事では、シーラントがどのようなものか、その役割、メリット、そして適用が適している場合について詳しく解説します。


シーラントとは?

シーラントは、歯の表面に施される薄いプラスチック状のコーティング材のことを指します。特に奥歯(臼歯)の噛む面には溝があり、そこに食べかすや細菌が溜まりやすいのですが、シーラントを施すことでこれらを防ぎ、虫歯(う蝕)になるリスクを大幅に軽減することができます。

この処置は特に6歳臼歯(第一大臼歯)や12歳臼歯(第二大臼歯)が生えてきたばかりの時期に行われることが多いです。なぜなら、生えたばかりの永久歯はエナメル質が未熟で虫歯になりやすいからです。


シーラントの役割と重要性

1. 虫歯予防 シーラントの主な目的は、奥歯の溝に食べ物のカスや細菌が入り込むのを防ぐことです。特に小児では歯磨きが十分に行き届かない場合が多く、溝の奥まできれいにするのが難しいため、虫歯が発生しやすい環境になります。シーラントを施すことで、このリスクを大幅に軽減できます。

2. 自然な歯を守る 虫歯が進行してしまうと、削って詰め物をする必要があります。しかし、シーラントを施して虫歯を予防することで、自然な歯を削らずに済む可能性が高くなります。これはお子さまの将来の歯の健康にとって大きなメリットです。

3. コストと手間の軽減 虫歯治療に比べ、シーラント処置は簡単で費用も比較的安価です。さらに、予防処置を行うことで、将来的な治療費を抑えることができます。


シーラントが適用される条件と年齢

シーラントはすべてのお子さまに適用できるわけではありません。以下の条件が揃っている場合に適用されることが一般的です。

  • 奥歯の溝が深い場合
    奥歯の溝が浅い場合は、そもそも汚れが溜まりにくいのでシーラントは不要なことがあります。
  • 虫歯になっていない場合
    既に虫歯が進行している場合は、シーラントではなく治療が必要です。
  • 適切な年齢
    永久歯が生え始める6歳ごろからが最適です。ただし、乳歯でも溝が深く虫歯になりやすい場合にはシーラントを行うことがあります。

シーラント処置の流れ

シーラントは痛みを伴わない簡単な処置で、以下のステップで行われます。

  1. 歯の清掃
    専用の器具を使って歯の表面をきれいにします。
  2. エッチング(表面処理)
    歯の表面に薬剤を塗布し、シーラントがしっかり密着するようにします。
  3. シーラント材の塗布
    プラスチック状のシーラント材を歯の溝に塗ります。
  4. 硬化
    専用の光を当ててシーラント材を硬化させます。
  5. 確認と調整
    最後に噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整を行います。

この一連の手順は10~20分程度で終了します。


シーラントのデメリットと注意点

シーラントは非常に効果的な予防処置ですが、いくつか注意点があります。

  • 耐久性の限界
    シーラントは永久的なものではありません。一般的に数年で剥がれることがありますので、定期的な歯科検診で状態を確認し、必要に応じて再処置を行うことが重要です。
  • 完全な予防ではない
    シーラントを施しても、適切な歯磨きやフッ素塗布を怠ると虫歯になる可能性があります。

まとめ

シーラントは、お子さまの虫歯予防に非常に有効な方法です。特に、生えたばかりの永久歯を虫歯から守るためには、早めの対策が重要です。ただし、シーラントだけに頼るのではなく、日々の歯磨き習慣や定期的な歯科検診と併せてケアを行うことが大切です。

ヨコヤマ歯科では、お子さまの将来の歯の健康を第一に考え、個々の状況に応じた最適な予防策を提案しています。シーラントに関心がある方は、ぜひ当院でご相談ください。

Page top