小児歯科で使用する局所麻酔について
2024.03.27
こんにちは、箕面市牧落オートバックス前のヨコヤマ歯科です。
いよいよ今週から春到来の予感が出てきましたね。
桜もちらほら咲き始めて春の予感です。
歯医者をやってると患者さんから
「花粉症になったのでクシャミしたらすみません。」
と言われるような季節になったら春の訪れを感じます。
僕自身も花粉症なので、春は待ち遠しくもあり、早く過ぎ去ってほしい季節でもあります。
春休みに入り、当院でも小児のお子さんの来院も増えてきました。
先日、開業当初から来てる2歳のお子さんが、何回もトレーニングを頑張って
奥歯と前歯の治療ができました。
しかも応急処置ではなく、しっかりしたむし歯治療(コンポジットレジン充填)
を最初から最後までできたんです。とてもびっくりしました。
その際は麻酔を使わずに慎重に行っていきました。
歯科治療において精度の高い治療を行うには麻酔をして処置した方が確実なのですが
お子さんの治療においてはで麻酔を使用するかの判断は慎重に行うべきと考えます。
そこで今回は小児歯科治療において麻酔について
どのような方法で麻酔をするのか
また実際にどのようなケースで麻酔を必要とするのかをお伝えします。
小児歯科治療で使用するのは局所麻酔
小児歯科治療で使用するのは局所麻酔です。
麻酔薬を注射によって直接注入することで、治療する歯やその周囲の感覚を麻痺させることが可能です。
その他に発達障害や歯科恐怖症のお子様に対して、全身麻酔や笑気麻酔、静脈内鎮静などの全身に作用する麻酔方法もありますが、一般のクリニックで通常は行わないので今回は割愛します。
局所麻酔を使用するケース
小児の歯科治療では可能な限り、局所麻酔を行わずに治療を行います。
小さなむし歯であれば、局所麻酔を使用しなくても痛みを感じずに治療は可能です。
ただし、むし歯が大きく進行してしまったり、何らかの理由で歯を抜く必要がある場合には局所麻酔を行って治療する必要があります。
・むし歯が進行している場合
むし歯が進行している場合は、そのまま治療を行うと痛みが大きくなるため局所麻酔を使用します。
お子さんが低年齢で、麻酔注射自体が難しい場合は、むし歯の進行を止める処置を行い、歯科治療のトレーニングを行った後に麻酔を行った治療にチャレンジします。
・抜歯が必要な場合
むし歯が大きくて、乳歯の下から永久歯が生えてきている、など歯を抜かなくていかない場合にも局所麻酔は必要です。
かなりグラグラで、少しの力で抜ける場合には表面麻酔のみで行うケースもあります。
痛みの少ない麻酔の方法
・表面麻酔をしっかりと効かせる
麻酔を行う前に、麻酔を行う部分に表面麻酔の塗り薬をぬり、しっかりと時間をおくことで注射時の刺す痛みを軽減できます。
・麻酔薬の温度を体温に近づける
麻酔薬の温度をあらかじめ体温に近づけておくことで薬剤の注入時の痛みを軽減できます。
・麻酔薬をゆっくり注入する
麻酔薬を勢いよく注入すると、周囲の組織に圧力がかかり痛みにつながります。
注入する際はゆっくりと一定の圧力で注入することが大切です。
局所麻酔の注意点について
子供の患者さんに局所麻酔を行う際はいくつか注意すべきことがあります。
ごく少数ですが、麻酔薬に対してアレルギー反応が出ることがあります。
そのため、はじめて局所麻酔を行う際には注意が必要です。
また麻酔を行って治療を行った後は麻痺して感覚がない状態がおよそ2から3時間続くため
麻酔をした周囲の頬や唇を誤って噛んでしまったり、温度感覚がないので火傷したりしないように注意が必要です。
まとめ
今回は小児歯科で行う局所麻酔についてお伝えしました。
局所麻酔は治療を円滑に精度良く行うために必要な処置です。
ただし小児患者においては局所麻酔による偶発症(トラブル)を避ける
という意味でも必要最低限にとどめるべきと考えます。
大人も子供も注射は嫌なものです。
余談ですが僕は勤務医時代
一年目の時に全てのスタッフに麻酔をするというテストをして
全員に痛くないとお墨付きをもらってから
患者さんに行うという事をしていました。
それくらい麻酔は患者さんにストレスを与える可能性があるので
痛みなく行うべきというその医院の考え方があったからだと思います。
なのでまあまあ麻酔は得意です。
患者さんから
「え?ここの麻酔って注射じゃないんですか??」
といわれると
「いや、普通の注射ですよ」
と何食わぬ顔で伝えるふりしてマスクの下でニヤリとしています。
調子にのってこんな事言ってしまったので、
でももし麻酔が痛かったら
「先生普通に注射痛いですね」と言ってくださいね