歯科医療コラム

妊娠、出産時は歯周病になりやすい?妊娠性歯肉炎について

歯科ブログ

2024.03.22

妊娠すると悪阻によって歯が磨きにくくなった結果、むし歯や歯周病のリスクが高くなるだけではなく、ホルモンバランスの変化により妊娠性歯肉炎になる可能性もあります。

近年、妊娠性歯肉炎は単なる歯肉の炎症だけではなく、歯周病菌によって早産や低体重出産のリスクが高くなることがわかってきました。

今回は妊娠性歯肉炎についてお伝えしていきます。

妊娠性歯肉炎とは

妊娠性歯肉炎とは妊娠5から20週目くたいから歯肉が赤く腫れたような状態になり、出血などの炎症を引き起こすような状態です。

症状が特に強まるのはおよそ妊娠32週目ごろで、口臭や口内炎やその他、むし歯にもなりやすくなります。

これらは女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)が大きく関与しているといわれています。

歯周病の原因となる女性ホルモンは妊娠初期から週毎にホルモンレベルが上がっていくので、妊娠中期から後期にかけて、妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。

歯周病と早産の関係性

近年、歯周病菌が全身にさまざまな悪影響を及ぼすことが明らかになっきています。
妊娠性歯肉炎になっている妊婦は早産のリスクがなんと7倍ほど高くなることが指摘されています。

これは歯周病により起きた炎症が血液を介して全身にひろがることにより起こるといわれています。

早産になってしまう原因は、母体の健康状態や喜悦炎週間など色々な原因が考えられますが、その中に子宮などの感染症があります。

歯肉炎によって生じた物質に、子宮を収縮させて出産を促してしまう物質も含まれています。そのため早産を引き起こしてしまうことがあるのです。

これに合わせて、妊娠中は妊娠性歯肉炎により歯周病が起こりやすい状態になります。
歯周病は早産のリスクになるにもかかわらず、妊娠中になりやすいという大きな問題を抱えています。

妊娠中でも出来る歯周病予防

歯周病予防はお口のケアをしっかりして、定期的に歯科医院で見てもらう事ですが、妊娠中だと難しいこともあるかもしれません。

そこで妊娠中でもできる歯周病予防をいくつかご紹介します。

・安定期に入ってから歯科医院を受診する

安定期に入れば歯科医院を受診しましょう。
歯石除去などの歯周病のケアや自分に合った歯ブラシの仕方などを教えてもらえます。

・体調が落ち着いてる時に歯を磨く

つわりがひどかったり、体調が悪く歯が磨けない妊婦さんは沢山いらっしゃいます。
そんなときは無理せず、落ち着いたときに歯を磨くように心がけましょう。

歯を磨けないときはうがいを頻繁にする

それでも歯を磨けない場合はうがいを頻繁にしましょう。大きな汚れは勢いよくうがいすることで落ちますし、口が乾いて歯周病のリスクが高くなる事も予防できます。

まとめ

妊娠中は妊娠性歯肉炎や早産、低体重児出産など、歯周病によるリスクを多く抱えます。
妊娠する前から定期的な歯科検診を受け、歯周病やむし歯を予防し、口腔内と洗浄し、口腔内に細菌が少ない清潔な状態に保てていれば、歯肉炎にはなりません。

また出産後にはなりますが、母親にむし歯がある子とない子を比較すると圧倒的に母親にむし歯がある子のむし歯の発生率は高いです。

将来を見据えて、むし歯や歯周病をしっかり治し、予防することが将来の子供の為にもなりますのでとても大切な事です。

当院では妊娠中から出産後、子育て中まで通いやすいようにさまざまな設備や体制を整えて
おります。
妊娠中からお子さんのお口の健康のための準備は始まっています。
お困りの事などございましたら、当院にご相談ください。

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