フッ素濃度と虫歯予防効果について歯科衛生士が徹底解説します!!
歯科ブログ
2026.02.11
こんにちは、大阪府箕面市牧落オートバックス前のヨコヤマ歯科の衛生士の横山です。
むし歯予防の代表的な方法の一つとして広く知られている「フッ素」。歯科医院でのフッ素塗布や、フッ素配合の歯磨き粉、洗口液など、日常生活の中でも多くの場面でフッ素が活用されています。しかし、「フッ素は本当に効果があるのか?」「どのくらいの濃度が適切なのか?」と疑問に思う方も少なくありません。
実は、フッ素のむし歯予防効果は、その濃度と使用方法によって大きく左右されます。本記事では、「フッ素濃度と効果」をテーマに、フッ素の働き、適切な濃度、家庭での使い方、歯科医院での活用方法について、わかりやすく解説します。

フッ素とは何か?
フッ素は自然界に存在するミネラルの一種で、水や食品、歯磨き粉などにも含まれています。歯科領域では、主にむし歯予防を目的として利用されており、その効果は科学的に証明されています。
フッ素が歯に与える主な効果は次の3つです。
① 歯の再石灰化を促進する
むし歯は、食事や飲み物に含まれる糖を細菌が分解して酸を作り、その酸が歯の表面(エナメル質)を溶かすことで進行します。この現象を「脱灰」といいます。
一方で、唾液には歯を修復する「再石灰化」の働きがあります。フッ素はこの再石灰化を助け、初期むし歯の進行を抑える役割を果たします。
② 歯を酸に強くする
フッ素が歯の表面に取り込まれると、通常のエナメル質よりも**酸に強い歯(フルオロアパタイト)**が形成されます。これにより、むし歯になりにくい歯質へと強化されます。
③ むし歯菌の働きを弱める
フッ素には、むし歯の原因菌(ミュータンス菌など)の活動を抑制する作用もあります。これにより、酸の産生を減らし、むし歯のリスクを低下させます。
フッ素濃度とその効果の関係
フッ素の効果は「濃度」によって異なります。一般的に、フッ素濃度が高いほどむし歯予防効果は高くなりますが、安全面を考慮した適切な使用が重要です。
家庭用歯磨き粉のフッ素濃度
日本で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は、近年引き上げられ、現在では**最大1,450ppm(ppm=100万分の1)**まで認められています。
- 1,000ppm未満:むし歯予防効果はあるが、やや弱め
- 1,000ppm〜1,450ppm:高いむし歯予防効果が期待できる
- 子ども向け(500ppm〜950ppm程度):誤飲リスクを考慮した設定
特に、むし歯リスクが高い人(甘いものをよく摂る、歯並びが悪い、唾液量が少ないなど)は、1,450ppmの歯磨き粉を使用することが推奨されます。
フッ素洗口の濃度
フッ素洗口は、学校や家庭で行われることがあり、一般的な濃度は以下の通りです。
- 毎日法:225ppm
- 週1回法:900ppm
毎日少量のフッ素を継続的に口に含ませることで、歯の表面にフッ素を供給し、むし歯予防効果を高めます。
歯科医院でのフッ素塗布の濃度
歯科医院で行うフッ素塗布は、9,000ppm以上と非常に高濃度です。専門家が適切に管理して使用するため、安全に高い予防効果が得られます。
特に以下の方には歯科医院でのフッ素塗布が有効です。
- むし歯ができやすい子ども
- 初期むし歯がある人
- 矯正装置を使用している人
- 唾液が少ない人(薬の副作用など)

フッ素を効果的に使うポイント
フッ素の効果を最大限に引き出すためには、使い方が重要です。
① 正しい歯磨き粉の使い方
- 歯磨き後は強くうがいしすぎない
→ フッ素が流れすぎてしまうため、少量の水で軽くすすぐ程度にしましょう。 - 寝る前の歯磨きは特に重要
→ 就寝中は唾液量が減るため、むし歯リスクが高まります。
② 定期的な歯科受診
家庭でのケアに加え、3〜6か月ごとの定期検診とフッ素塗布を併用することで、より高い予防効果が得られます。
③ 年齢に合わせたフッ素濃度を選ぶ
- 0〜2歳:500ppm程度(少量)
- 3〜5歳:500〜950ppm
- 6歳以上〜大人:1,450ppm推奨
誤飲が心配な場合は、保護者が管理しながら使用してください。
フッ素は安全なのか?
適切に使用すれば、フッ素は安全で効果的なむし歯予防手段です。ただし、過剰摂取は「歯のフッ素症(白斑)」を引き起こす可能性があるため、年齢に応じた適切な量と濃度を守ることが大切です。
歯科医院では、患者さん一人ひとりのリスクに合わせてフッ素の種類や濃度を選択しています。
まとめ
フッ素のむし歯予防効果は、濃度と使用方法に大きく左右されます。
- 家庭では1,450ppmの歯磨き粉を基本に
- 必要に応じてフッ素洗口を併用
- 歯科医院では高濃度フッ素塗布を定期的に受ける
これらを組み合わせることで、むし歯になりにくい強い歯を維持できます。
「フッ素濃度と効果」を正しく理解し、日々のケアに取り入れていきましょう。むし歯予防について気になることがあれば、ぜひかかりつけの歯科医院にご相談ください。

