過蓋咬合(かがいこうごう)によって起こる問題とは?原因や治療法も解説

2025.02.23
こんにちは!箕面市牧落オートバックス前のヨコヤマ歯科、歯科衛生士の政倉です。
今日は過蓋咬合(かがいこうごう)によって起こる問題とは、原因や治療法も解説します。
目次
1. 過蓋咬合とは?
過蓋咬合(ディープバイト)とは、上の前歯が下の前歯を深く覆ってしまう噛み合わせのことを指します。
通常、上の前歯は下の前歯に1〜2mmほど重なるのが理想ですが、過蓋咬合ではそれ以上に重なり、場合によっては下の前歯がほとんど見えなくなります。
過蓋咬合は見た目だけでなく、口腔内の健康にもさまざまな影響を及ぼす可能性があり、放置すると歯や顎、さらには全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
2. 過蓋咬合によって起こる問題
歯のすり減りや破折のリスクが高まる
過蓋咬合では、上の歯と下の歯が強く接触しやすいため、咬合力(噛む力)が過剰にかかることがあります。その結果、歯がすり減ったり、ひびが入ったり、最悪の場合、歯が折れてしまうこともあります。
顎関節症のリスクが上がる
過蓋咬合の人は、噛み合わせのバランスが悪いため、顎関節に負担がかかりやすくなります。これにより、顎関節症(TMD)を発症するリスクが高まります。
顎関節症になると、顎の痛み、口の開閉時の異音、頭痛、肩こりなどの症状が現れることがあります。
歯茎のダメージや歯周病のリスク増加
過蓋咬合があると、下の前歯が上の前歯の裏側の歯茎に強く当たることがあります。この状態が続くと、歯茎が傷ついて退縮し、知覚過敏や歯周病のリスクが高まります。
また、歯並びが乱れることで歯磨きがしにくくなり、プラークや歯石が溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクも上がります。
発音障害を引き起こす
過蓋咬合の影響で、舌の動きが制限されることがあり、発音に影響を与える場合があります。特に、「サ行」や「タ行」の発音がしにくくなることがあり、日常会話に支障をきたすこともあります。
顔の輪郭が変わる可能性がある
過蓋咬合の影響で下顎が後退し、Eライン(鼻先と顎先を結んだライン)が崩れることがあります。その結果、口元が突出して見えたり、フェイスラインがぼやけたりすることがあります。特に、成長期の子どもでは骨格の発育に影響を及ぼしやすいため、早めの治療が重要です。
3. 過蓋咬合の主な原因
過蓋咬合が起こる原因はいくつかあります。
遺伝的要因
骨格の遺伝により、上下の顎の大きさのバランスが悪いと過蓋咬合になりやすくなります。
乳歯から永久歯への生え変わりの影響
乳歯の早期喪失や、永久歯の萌出異常があると、噛み合わせのバランスが崩れて過蓋咬合になることがあります。
舌の癖や悪習慣
指しゃぶり、舌を前に押し出す癖(舌突出癖)、頬杖をつく癖などがあると、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼし、過蓋咬合を引き起こすことがあります。
歯ぎしりや食いしばり
強い歯ぎしりや食いしばりが習慣化していると、噛み合わせのズレが生じ、過蓋咬合が悪化することがあります。
4. 過蓋咬合の治療法
過蓋咬合の治療方法は、患者さんの年齢や症状の程度によって異なります。
矯正治療
・ブラケット矯正:ワイヤーを使って歯を動かし、適切な噛み合わせに導く方法。
・マウスピース矯正(インビザライン):透明なマウスピースを使って歯並びを整える方法。審美的な面でメリットが大きい。
・機能的矯正装置(成長期の子ども向け):顎の成長をコントロールしながら、理想的な噛み合わせへ誘導する装置。
補綴治療(かぶせ物・被せ物)
歯の形を修正することで、噛み合わせを調整する方法。過蓋咬合の程度が軽い場合や、歯がすでに大きく摩耗している場合に行われる。
咬合調整
歯を削って噛み合わせのバランスを調整する方法。矯正治療ほどの大きな変化は期待できないが、症状の緩和には役立つ。
ボツリヌストキシン注射(ボトックス)
過度な食いしばりや歯ぎしりによる過蓋咬合の悪化を防ぐために、咬筋にボツリヌストキシンを注射することもある。
5. まとめ
過蓋咬合は、単なる見た目の問題ではなく、歯の寿命や顎関節の健康、全身のバランスにも影響を与える可能性があります。特に、歯の摩耗や顎関節症、歯周病のリスクが高まるため、早期の対応が重要です。
また最近はお子さんに過蓋咬合がとても多いです。
お子さんの歯並び、かみ合わせは歯が生えるまでの新生児のうちからのお食事の仕方や授乳の仕方で大きく変わります。
一般的には矯正治療は6歳から8歳でスタートするのですが、それより低年齢のうちにできる対策もあります。
当院ではそういったお話もしっかりお伝えさせていただきます。
気になる症状がある場合は、ぜひ一度ヨコヤマ歯科へお越し下さい。適切な診断を受けることで、自分に合った治療法を選択し、健康な噛み合わせを手に入れましょう!