歯科医療コラム

親知らずは抜歯した方がいいの?症状や状態別に歯科医院が解説します

歯科ブログ

2024.01.31

こんにちは、箕面市牧落のヨコヤマ歯科です。
2024年になり1ヶ月があっという間に終わりましたね。
寒さのピークもひと段落し、あとは徐々に暖かくなっていきそうです。
春が待ち遠しいですね。

最近は当院に来院される患者さんで
親知らずが原因のトラブルが起きてる方がとても多いです。
今回は親知らずが引き起こす様々なトラブルについてお話しします。

親知らずとは

親知らずとは第3大臼歯もしくは智歯とも呼ばれる前から8番目に生えてくる歯です。
個人差はありますがだいたい10代後半から20代くらいに生えてくる歯です。
親に知られることなく生えてくることから
このような名前がつけられたともいわれています。

親知らずは抜かないといけないの??

親知らずは8番目、一番奥に生えてくる歯なので
なかなか綺麗に歯磨きをするところが難しい歯です。
綺麗に生えてきていてしっかり歯磨きできる親知らずは
積極的に抜歯をする必要はありませんが
他の歯(特に手前の歯)への影響を考えると抜歯するのが望ましいです。

親知らずによる大きなトラブル

親知らずを綺麗に磨けないまま放置していると様々なトラブルを引き起こします。

①隣の歯のむし歯の原因になる

このように親知らずだけでなく、隣の歯までもがむし歯になってしまいます。

②歯周病の原因になる

親知らずの周りに歯周病の細菌が繁殖すると親知らず周りの骨が溶けてしまいます。
そうなると親知らずだけでなく手前の歯までもが急速に歯周病が進行する原因となります。

③矯正治療後の後戻りの原因になる

個人差はありますが、親知らずの生え方によっては
矯正治療後に歯並びが再度悪くなる後戻りの原因となってしまいます。

実際の患者さんの症例です。

この方は奥歯がしみるとのことで来院されましたが
レントゲンを撮影してみると左上の親知らずにより手前の歯左上7番が
保存できないくらいにむし歯になってしまっていました。
歯肉の中の見えない部分でむし歯が進行していたので患者さんも
全く気づいていませんでした。

 

親知らずはいつ抜けばいいの?

よく患者さんに「親知らずはいつ抜けばいいのですか?」と質問されます。
その患者さんの年齢などにもよりますが
お子さんであれば歯の卵(歯胚)が確認できたら
できるだけ早くとお伝えします。

年齢にすると14、15歳くらいで親知らずの卵がレントゲンで
確認できるようになります。
その卵の状態で歯並びや顎の成長をみて綺麗にはえる可能性が少ない場合は
抜歯をおすすめします。
この卵の状態での抜歯は難しい抜歯になりますが
早めに抜歯を済ませておくことは
お子さんにとってとてもメリットが大きいことですので
当院では希望されれば行います。

お子さんの学生生活(受験)や就職などへの影響も考えるとおすすめは

・中学2、3年生
・高校1、2年生
・大学生の間

をおすすめしています。
受験シーズン等は避けるというのと
就職したらなかなか自分の歯の問題で仕事を休んだりできないので
大学生の間には抜歯を終わらせておくことをおすすめします。

大人の方は出来る限りはやくをおすすめします。
親知らずを抜いた後の骨の治りは年齢とともに悪くなるので
出来る限り早くした方がいいです。

親知らずを保存する場合

親知らずを保存する場合は
大前提として親知らずまでしっかり歯磨きができている
ということが重要です。
その上で

①上下で親知らずがしっかりと咬んでいる場合
②手前の歯の状態が悪いなどで歯のスペアとして保存しておく場合
③入れ歯のバネとして使用する場合
④若年者で歯牙移植治療を検討できる場合
⑤高齢で外科的なダメージが全身的に負担が大きすぎる場合

これらのケースでは親知らずの保存をすることもあります。
しかしこれらはどれも妥協的なプランになります。

ベストは早めに親知らずを抜歯して7番までのご自身の歯を
しっかりと綺麗に管理できるようなお口を手に入れることです。

さいごに

親知らずを残しておくことで様々なトラブルの原因になってしまいます。
とはいっても痛み腫れるリスクもありますし、抜くのは恐怖心もあると思います。
抜くか抜かないかの最終判断をされるのは患者さんです。

当院では患者さんが自らの意思で抜きたいと思われる場合は
出来る限り当院での抜歯を行います。
まずはレントゲン、CTでの検査から行いますので
お困りの方はご相談ください。

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