歯科医療コラム

歯の根っこの治療(根管治療)について

歯科ブログ

2024.10.14

歯の根管治療って何?治療の必要性や内容についてご紹介

虫歯を放置していて相当悪化してしまうと、神経を含む歯髄から取り除かなければなりません。

この治療のことを根管治療と呼びます。

麻酔をして根管を掃除した経験のある方もおられるのではないでしょうか。

今回は根管治療について詳しくお伝えしていきます。

■根管治療が必要になる症例

根管治療は、頻繁に行う治療というわけでもありません。

虫歯がひどくなって炎症を起こして痛みが発生している時、また歯が折れて根っこが細菌感染を起こしているような時に行います

なんらかの外傷や歯周病の悪化時なども根管治療しなければならないケースもあるでしょう。

根管治療をするかどうかは医師の判断に任せるのが一番です。

■根管の構造

そもそも、根管とはどうなっているのでしょうか。

歯茎の上に見えている白い歯の部分は、歯冠と言います。

そして、歯茎に埋もれている見えない部分が歯根です。

根管は別名を歯根管とも呼び、歯根の真ん中に位置する細い管部分のことです。

そして、この根管には神経や血液に含んでいる歯髄組織が入っています。

根管治療とは、この中央軸の部分にアプローチする治療です。

根管の抜髄治療

虫歯や歯周病がひどくて歯髄炎の炎症を起こしている時に、歯髄を取り除くのが根管の抜髄治療です。

歯髄には歯の神経が通っているため、炎症で化膿していると痛みが生じます。

また、膿んでいると細菌も増殖しているので歯髄を除去しなければなりません。

方法としては、歯に穴を開けて歯髄が見えるようにします。

そして、ファイルやリーマーという細い針を使って、問題のある歯髄部分を取り除いていく形です。

痛みの改善や菌の増殖を防ぐために行われます。

■感染根管治療

歯髄炎がさらに進行すると、歯髄は壊死してしまいます。

こうなると歯根も腐ってしまうのです

そこで、感染根管治療をする必要が出てきます。

壊死している歯髄だけでなく、根管も掃除しなければ膿がきれいに取れません。

根本的な部分を治さなければ薬で痛みを緩和してもまた痛くなります

しっかりと膿と汚れを除去して、穴には消毒液を入れて蓋をしてしばらく様子を見る方法です。

消毒液が効いてくると、自然と膿はなくなってクリーンに回復します。

■再根管治療

過去に一度根管治療をしたものの、また同じ部分に細菌が入って炎症を起こすこともあります

虫歯が再発したり免疫が落ちて歯茎が腫れたりすることで、炎症が出る人もいるのです。

以前治療の時に歯根に細菌が残っていたのが、なんらかのきっかけにより増殖してしまったと言えるでしょう。

そうした時には再根管治療をしなければいけません。

前回の治療で詰めた詰め物を全部取って、再びきれいに掃除して消毒液を入れて蓋をします。

前回の治療の途中で通院をやめた人などがなりやすいので、きちんと完治するまで治療を続けることが重要です。

■外科的歯内療法治療

上記の根管治療においては、麻酔をしながら行いますがメスを入れることはありません。

しかしながら、症状が重い場合には、通常の根管治療ではどうすることもできないこともあります。

そうなると、外科的治療を施す必要が出てくるのです。

やり方としては、歯茎を切除して病巣を取り除く治療になります。

歯内療法外科治療となると治療も時間がかかりますし、通常の根管治療よりも体へのダメージが大きいです。

外科的手術をしなければならない状態になるまで、病状を放置しないことが何より大切です。

■根管治療にかかる期間

根管治療は、どれくらいの期間通院しなければならないのでしょうか。

歯髄を取り除いたり掃除したりする治療自体は、2回か3回で終わることがほとんどです。

けれども、状態がひどい場合は長期に及びます。

穴を開けた部分に消毒液を入れて蓋をして様子を見るわけですが、人によってはなかなか痛みが治まらないこともあります。

また、細菌がなくならない場合も、完治するまで長期間かかるでしょう。

この違いは病状にもよりますが、個人によって免疫力や体力に差があるからです。

また、更年期や持病がある方も、免疫力が落ちているため治りにくいと言えます。

細菌の種類や使用する薬との相性もあるでしょう。

あまり治りが悪い時は、違う薬に変えるなどの処置を行うこともあります。

いずれにせよ、信頼できる医師の指示に従うこと、そして通院を勝手にやめてしまわないことが重要になってきます。

■まとめ

このように、根管治療にはいくつかの治療方法があります。

症状などによって適切な治療を行うことが重要です。

人によって治りのペースも治療期間も違ってきます。

そもそもの管治療が必要になるかどうかは、日頃からのメンテナンスも関係しています。

虫歯がひどくなっている時、根管治療しなければ仕方がないケースもあるでしょう。

Page top